今回は、ブラジリアン柔術の技術が柔道で使えるかについて、考察してみようと思います。
はじめに
近年、オリンピックや世界選手権などの柔道の国際大会で、関節技が多用されてきている。そのため、日本代表選手団がブラジリアン柔術のレッスンを受けたりしている。昨年の世界柔道2位になった角田選手は、腕十字で国内予選、世界大会でも活躍している。この背景より、ブラジリアン柔術が柔道で有効であるか、検証してみた。
柔道の寝技ルール
ここでは、寝技に限って、まとめてみます。
引き込み→待てがかかり、指導取られる。立ちからスタート
抑え込み→20秒抑え込んだら、一本となります。10秒で技ありです。
絞め技→頸動脈を絞めて、相手がタップまたは落ちたら一本勝ちです
関節技→肘関節のみ認められています。
待て→寝技に進展がないとかかる。
本当は、もっと詳細に渡るルールが存在しますが、上記を条件に考察してみます。
柔道でありがちなパターンに分ける
次に柔道でありがちなパターンにわけて、各パターンで使える技術について考察してみます。まずありがたなパターンは以下の5つにまとめました。
①亀、あるいは亀になろうとした瞬間
・・・柔道では一番多いパターンではないでしょうか。投げ技を失敗したときに、守りに入るためにうつ伏せで亀になることが多いです。柔道ではこの亀をひっくり返して抑えることを亀取りといいます。
②相手が巴投げなどの捨て身技を仕掛けてきたとき
・・・相手が巴投げや隅返などをしかけて、決まらないとき、相手が仰向けで、自分が上になることがあります。
③自ら巴投げなどの捨て身技を仕掛けたとき
・・・これは上記とは逆に自分が仰向けに、相手が立ったままの状態になります。
④抑え込まれた状態、あるいはその逆
・・・柔道では抑え込みは20秒で一本になります。柔道では相手を投げて、仰向けにさせた状態で抑え込みに移行するパターンが圧倒的です。
⑤片足からめて抑え込みを防いでいる状態。あるいはその逆
・・・柔道では仰向けに相手にさせても片足を絡んでいれば、抑え込みになりません。そのため、この片足をからめた状態での攻防がよくあります。
他にもキワと言われる場面だったりありますが、とりあえず、上記のパターン別に解説してみたいと思います。
この先は、亀、あるいは亀になろうとした瞬間編へ